秋の夜の感じ方 - ウズマキさんちのレシピ

夜の空気が涼しくなってきて、夕食後にふと、家の外に広がる夜の世界のことを思いました。私が子どもだった頃は、夜というのはもっと暗くて広いところで、日が沈むとともに、なじみ深い近所の通りや公園や学校や家々がみんな「目を閉じて」しまうような気がして、安易に家から出たら知らない世界だぞ、怖いところだと思っていました。

今は夜だろうが暗かろうが、いい感じに年を取ったために（おばちゃん化）怖いなんてことはなくなりましたけど、あの子どもの頃の「夜の感じ」が、今になってとても興味深いことのひとつになっています。

クレイを身体にのせて、「どう感じますか？」と必ず質問をします。クレイがどのようにはたらいているか、私なりに感じている部分もありますが、やはり本人の実感が一番大切。何も感じませんよ、でもいいしどう答えてもらってもよいのですが、最近になって気付いたことがありました。

感じ方には種類があるようだ

①自分目線、自分の身体から「発する」ものに注意を向けている

②自分目線だけど、自分以外の周囲の感じから、自分の感覚を得る

③見聞きしたものに照らし合わせ、思考に頼る

もっとあるのだけど、ここでは「今あなたはどう感じますか？」と聞かれたときに関わるものを挙げました。頑張って説明してみますね。つーたーわーれー（さっくん風）！

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①自分目線、自分の身体から「発する」ものに注意を向けている

『私は感じている』

たぶんこれが、一般的な「感想」のことを指します。クレイをのせたときの感想としては冷たい、温かい、ずっしりする、じんじんする、身体の中が動いている感じがする、楽になっていく感じがする。

あくまでも、自分が経験したことやあらかじめ知識として持っているものの中から想像できる範囲の答えになります。

②自分目線だけど、自分以外の周囲の感じから、自分の感覚を得る

『私は感じさせられている、私は感じるものである』

拙い手書きの図からなんとか理解してもらえたらと思うのですが、自分に触れる空気や雰囲気といったものから自分があぶり出されるようなイメージです。

ある場所から光を当てて影ができたとき、その間にものがあるんだとわかります。クレイが身体に乗ることで浮かびあがる自分を感じるということです。これは予備知識も経験も必要なく、ただ「今」を感じるだけ。広がりや深さ、動き、ちょっと不思議な言い方をすると「意味のようなもの」なんかが言葉を越えて感じられます。

③見聞きしたものに照らし合わせ、思考に都合よく頼る

『私は感じている（に違いない）』

誰でも少なからずこの要素はもっていますが、つまり思い込みのフィルターを通して判断することを言っています。実際なにが起きているかというよりも、自分にとってこうあってほしい、こういう意味があるはずだという思考がはたらきます。図でなんとか表そうとしましたが、思い込みのフィルターによって、自分（手）がぼんやりとしか見えないことを、それを思考によっていかようにも解釈しうる可能性があること、自分で視界を限定してしまっていることを伝えたいです。

周囲の人の影響で、いくらでも答えが変わる上に、自分でもその答えを「思い込もう」とする場合には意地を張ります。

自分の感じ方、どれに当てはまるか確認してみてください。

私のおすすめは『②を基本にして①をちょい混ぜ』あるいは『②と①を行ったり来たり』です。③はなるべく少ないほうがいい。

私たちって、日ごろからあらゆることを感じていて、自分なりの解釈をそこに加えています。この「感じる」も上のように分けることができます。

子どもの頃の私が夜に感じていたのはまさに②でした。夜という暗さと圧力に囲まれて浮かび上がってしまう「わたし」というもの。限りなく広い世界？宇宙？途方もない広がりの中に身体を所有してしまっている。命があるかぎりこの身体を通してものを見てくんだなと、なぜか軽くがっかりした記憶があります。

まだうまく説明できないのですが、この②の視点って「よく生きる」ためにとっても大切なものだと思っています。

「どうして自分はこんなに恵まれていないんだろう」「頑張っているのに報われない」「誰かに愚痴を聞いてもらわなきゃやってられない」「どこかに私にぴったりの場所・パートナー・仕事・があるはず」「過去を許せない」「この先が不安」

こういう事を感じているときって、実は②が欠如しています。

周囲の人・もの・自然によって自分が形づくられている、それも自分なのだということが腑に落ちてくると、自分というのはそのまま無限に広がる世界なのだということが身をもってわかります。

（さらにいうなら、この②の感覚を育てることが「無私」であり、レイキヒーリングをするときの主軸であり、みうらじゅん氏の言う「自分なくし」につながると思っています。）

拙い図の①と②を見比べてみてください。どっちもくっきりしっかりと「自分の身体」が見えているでしょう。この「自分の身体がある」ことを通して、嬉しいこと悲しいこと様々な感触感情を「感じる」ことができます。

・・・というわけで、今夜はお部屋の窓を開けて、秋の夜に包まれて浮かび上がる自分を感じてみてください。